胃炎

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胃炎とは

胃炎とは、胃の粘膜に炎症が起きている状態を指します。
胃の中は強い酸性の胃液で満たされており、食物を消化しやすくし、細菌を死滅させる役割を果たしています。
通常、胃壁は粘液で保護されているため、胃液によって溶かされることはなく、粘膜にできた傷も粘液が修復を助けています。
しかし、胃粘液の保護作用には限度があり、暴飲暴食が続くと胃酸が粘膜を傷つけ、炎症を引き起こします。
これが急性胃炎です。また、ストレスが原因で粘膜の保護作用が弱まり、炎症が起こることもあります。

胃炎の治療

急性胃炎の場合

薬物治療

急性胃炎の原因が暴飲暴食や薬の副作用である場合、患者様の状態に合わせ、以下の薬を処方します。

  • 胃酸の分泌を抑える薬(プロトンポンプ阻害剤やH2受容体拮抗剤など)
  • 胃粘膜保護薬
  • 胃の蠕動運動機能改善薬

鎮痛薬の副作用で胃炎が起きている場合は、胃炎を引き起こしにくい薬への変更も検討します。
急性胃炎の炎症が続くと、胃粘膜の修復力が低下し、粘液の分泌量も減少します。
その結果、慢性胃炎や胃潰瘍のリスクが高まるため、きちんと治療することが重要です。

生活改善

症状が改善するまで、以下の点に注意しましょう。

消化の良い食事を心がける

消化に良い食材を選び、胃に優しい調理法を取り入れます。

刺激物を避ける

喫煙、カフェイン、刺激の強い香辛料などは控えましょう。

ストレスを溜めない

ストレス管理を行い、リラックスする時間を持つことが大切です。

慢性胃炎

ピロリ菌の除菌治療

ピロリ菌感染が確認された場合、胃薬などの薬物治療に加えて、除菌治療を行っております。
除菌治療では抗生剤と胃酸分泌抑制薬を7日間内服していただきます。
この治療により、胃がんの発生リスクを抑えられ、潰瘍や炎症も起こりにくくなります。
ピロリ菌の感染は、5歳くらいまでの間に親から子にうつることが多いとされています。
そのため、除菌治療はご自身の胃がんリスクを軽減するだけでなく、次世代にピロリ菌を伝えないことにもつながります。
ピロリ菌の検査と除菌治療は保険適用となっており、経済的な負担も軽減されています。

急性胃炎・慢性胃炎

胃炎には、急性胃炎と慢性胃炎の二種類があります。
急性胃炎は症状が突然現れ、慢性胃炎はゆっくりと症状が進行します。

急性胃炎

急性胃炎の症状

急性胃炎では、胃の痛みや違和感、不快感、膨満感、胸焼け、吐き気や嘔吐などの症状が現れます。
さらに、胃の炎症が進むと出血が起こり、吐血や下血、黒っぽいタール便が見られることもあります。

急性胃炎の原因

急性胃炎の原因は、食べ過ぎや飲み過ぎ、特にアルコールの過度な摂取、刺激の強い香辛料の摂取、解熱鎮痛剤などの薬剤内服、そしてストレスなどです。
これらの要因が胃の粘膜を刺激し、急激な炎症を引き起こします。

慢性胃炎

慢性胃炎の症状

慢性胃炎では、常に胃の不快感が続き、食欲がなくなる、食後の胸焼け、空腹時の吐き気やむかつき、胃もたれなどの症状があります。
自覚症状がないまま炎症が進行することもあるため、注意が必要です。

慢性胃炎の原因

慢性胃炎の主な原因は、ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ菌)の感染です。
この菌が胃の粘膜に感染すると、持続的な炎症が引き起こされます。