ピロリ菌

HOME ピロリ菌

ピロリ菌感染の症状

ピロリ菌に感染すると、いくつかの胃の症状が現れることがあります。具体的には、空腹時の胃痛や食後の腹痛、食欲不振、胃の不快感、胃もたれなどが繰り返し起こることがあります。これらの症状がある場合、ピロリ菌感染の可能性があります。
また、強い腹痛と黒い便(黒色便)を伴う場合には、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の可能性が高いです。このような症状が見られた場合、至急ご相談ください。
ただし、ピロリ菌に感染していても、無症状の方も多くいます。感染により胃炎が進行しても、症状が現れないことがあるため、定期的な検査が重要です。

ピロリ菌の感染経路

ピロリ菌の感染経路は完全には解明されていませんが、主に5歳くらいまでの幼少期に井戸水や家族から感染すると考えられています。大人になってからの新たな感染は少ないです。
日本では、上下水道の整備や親の世代の感染率低下、ピロリ菌除菌療法の普及により、ピロリ菌の感染率は徐々に低下しています。しかし、特に40歳代以上の世代では依然として感染者が多い状況です。また、若年層においても感染が見られることがあります。
一度ピロリ菌に感染すると、除菌されない限り胃の炎症が進行し、ピロリ菌が生息できない状態になるまで感染が続きます。

ピロリ菌によって起きる病気

ピロリ菌はアンモニアなどの毒素を発生させ、胃や十二指腸の粘膜に持続的な炎症を引き起こします。また、胃がんのほとんどはピロリ菌が関係していると考えられています。このような炎症が繰り返されると、粘膜の傷が深くなり、潰瘍が形成されます。
ピロリ菌に感染していると、胃や十二指腸の疾患を繰り返す恐れがあります。しかし、除菌治療によってピロリ菌を除去できれば、炎症や潰瘍の再発が起こりにくくなり、胃がんのリスクも軽減されます。

主な疾患

胃炎、十二指腸炎

胃や十二指腸の粘膜に炎症が起きる病気です。

機能性胃腸症

消化器官に明確な病変が見られないにもかかわらず、消化不良や腹痛などの症状が現れます。

胃潰瘍、十二指腸潰瘍

胃や十二指腸の粘膜が深く傷つき、潰瘍が形成される病気です。

胃がん

胃の粘膜にがん細胞が発生する病気です。

胃ポリープ

胃の粘膜にできる良性の腫瘍です。

胃MALTリンパ腫

胃の粘膜に発生する悪性リンパ腫の一種です。

特発性血小板減少性紫斑病

血小板が減少し、皮膚や粘膜に紫斑が現れる病気です。

慢性蕁麻疹

皮膚にかゆみを伴う赤い発疹が繰り返し現れる病気です。

ピロリ菌除菌治療の流れ

1

内視鏡検査

内視鏡検査により、ピロリ菌感染の有無を確認します。

2

血液検査

内視鏡検査でピロリ菌が確認された場合、血液検査で血液中に含まれるピロリ菌抗体を測定し、胃の中にピロリ菌が存在しているのかをより詳しく調べます。

3

除菌治療

ピロリ菌の除菌には、まず胃酸を抑制する薬と2種類の抗生剤を組み合わせて1週間服用します。

4

除菌判定

一次治療後、薬の服用を停止してから1か月以上経過した後に除菌が成功したかどうかを判定します。検査方法としては、尿素呼気試験法が一般的で、これは服用前後の呼気からピロリ菌の有無を調べるものです。これにより、除菌が適切に行われたかを確認します。

除菌治療で起こる可能性がある副作用

薬を服用すると、軟便や下痢、吐き気、味覚の変化が起こることがあります。これらの症状は、ほとんどの場合、服薬が終わると自然に治まります。もし症状が強く出たり、服薬後も続く場合は、すぐにご連絡ください。
ピロリ菌の除菌が成功し、胃が正常に戻る過程で、一時的に逆流性食道炎による胸やけや酸っぱいものが上がってくる感じがすることがあります。これが気になる場合は、症状を和らげる薬を処方しますが、多くの場合、軽い症状であり、自然に治まることがほとんどです。