胃潰瘍・十二指腸潰瘍

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胃潰瘍・十二指腸潰瘍とは

胃潰瘍・十二指腸潰瘍とは、胃液という強力な酸の刺激により、胃や十二指腸の組織が剥がれ落ち、内部からえぐられてしまう状態です。
本来、胃は塩酸やペプシンなどの消化液を分泌して食べ物を消化します。
しかし、何らかの原因でこの消化液が胃や十二指腸の組織をも溶かしてしまうことがあります。

最も多い原因はピロリ菌感染

胃は強酸性の胃酸と消化酵素が混ざった胃液によって、食物をドロドロに溶かし、消化しやすい状態にします。通常、胃粘膜は粘液を分泌して自身が溶かされるのを防いでいます。
しかし、何らかの要因でこのシステムのバランスが崩れると、胃の粘膜が炎症を起こし、やがて粘膜が傷つき深くえぐれる潰瘍が発生します。このバランスを崩す要因はいくつかありますが、最も多いのはピロリ菌です。ピロリ菌は胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因の50%以上を占めると言われています。
この菌は通常、生物が生存できない強酸性の胃内環境で、アルカリ性のアンモニアを作り出して周囲の胃酸を中和し、胃粘膜に棲みつきます。アンモニアの毒性と粘膜の炎症・萎縮によって、慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、さらには胃がんの原因にもなります。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の症状

胃・十二指腸潰瘍の主な症状には、空腹時や食後のみぞおちの痛み、吐き気があります。無症状の方もいます。
胃潰瘍の痛みは食事中や食後に現れることが多く、十二指腸潰瘍の痛みは空腹時に感じやすいです。潰瘍から出血すると、貧血や黒色便が見られることもあります。さらに、潰瘍が進行して胃腸に穴が開くと、激しい痛みが続きます。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の治療

ピロリ菌の除菌治療

胃・十二指腸潰瘍の主な原因はピロリ菌感染です。この場合、ピロリ菌の除菌治療が根本的な治療法となります。ピロリ菌を除菌することで、潰瘍が治癒し、再発をほぼ完全に防ぐことができます。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の治療薬

薬剤性の胃潰瘍・十二指腸潰瘍や手術後の潰瘍には、効果的な胃薬があります。主に胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプ阻害薬を使用します。